【続】俺様王子と秘密の時間



「に……忍耐?」


千秋の体温がダイレクトにあたしに伝わる。

耐えきれずに目を伏せようとしたその時。



「そろそろ、お前が欲しい」


トクンッ……。

その言葉はあたしの体温を上昇させ、頭の中で甘く反響した……。



「それとも、この旅行中、ずっとオアズケくらわすつもりだったのか?」


首を傾げて得意気に笑ってみせるから、また頬が熱くなっていく。



「犬じゃねぇんだから、オレは待てねぇよ?」

「でも誰か来たら……」

「点呼も終わってんだ。誰も来ねぇよ」


そう言って千秋はあたしの肩に手を伸ばし、もうわずかしかない距離を埋めた。



「ち、千秋……」


あたしの髪に指を通して首筋に顔を埋めるから、身をよじらせる。

いつもいつもこんな風に追いこまれちゃうなんて、あたしったら救いようがないのかもしれない。