「っ…ん……」
千秋は再びキスを落とす。
まさかのふいうちに、あたしは目を閉じることも忘れていた。
まだ完全に閉じていない瞳で千秋を見上げると、切なげな表情をしていた。
キスをして……嬉しいハズなのに何故か泣きそうになってしまう。
切ない気持ちが募る。
それでも、あたしは求める。
「ちあ…き……」
わずかに出来た隙間から小さく呟くと、もう食べられちゃうくらいに深く深く千秋は求めてきた。
甘い痺れに翻弄される中、浮かんできた感情を必死に隠そうとあたしは努力する。
神経が千秋に集中してしまいそうになると、熱い感触が離れてく。
千秋はあたしの前髪をはらうと、口を開いた。
「ココが暗い部屋っつうだけで、キスしかしてねぇのにすげぇエロい気分にならねぇ?」
ネクタイがほどかれたワイシャツのボタンを、千秋は片手で一つずつ器用に外していく。


