「なっ……!見たの?」
「当たり前だろ」
かあああああ。
最悪だ、もう嫌!
よりによってあんなマヌケ面を見られるなんて。
穴があったら入りたい。
「水城のヤツもよく撮ったよな」
盗撮だよ……。
千秋の笑いの含んだ笑みに、恥ずかしいを通り越して、もう湯気が沸きだすくらい熱くなった。
あたし、きっと耳まで真っ赤だ。
でもここが暗くて良かった。
あたしのリンゴみたいに真っ赤な顔を隠してくれるから。
「ひ……酷いよ!知らないフリしてくれてもいいじゃないっ……!意地悪っ……」
暴言を吐くあたしは誰が見たって可愛くないと思う。
好きな気持ちは変わらないのに、千秋の前では少しでも可愛くありたいと思うのに。
気持ちとは裏腹にほんとに可愛くないことばかり口にしてしまう。
「言いたいことはそれだけか?」
「へ……?」


