【続】俺様王子と秘密の時間



「オレのお願いその2」

「へ?」


黒澤拓海の言葉が背中に届いた。


お願いその2ってまだあるの?

今日1日回るだけじゃダメっていうこと?



「夢の国にある巨大噴水は5時になるとライトアップされんだよ」


噴水……?

夢の国には噴水があるらしい。


けど黒澤拓海が何を言いたいのか、どんな条件を出してくるのかなんて全くわからない。


だからあたしは嫌な予感を感じてなかなか振り返れない。



「は…早くジェットコースター行かないと待ち時間が……」


必死に話を変えようとした。

それに気づいた黒澤拓海は背後からあたしの真ん前に周る。



「なに……」


ドクン……ドクン……。

変な緊張感に包まれて生唾をゴクリと呑みこんだ。


なんとも言えない表情を向けてくる黒澤拓海はすかさず口を開く。




「5時の噴水の中で、オレとキスして?」