そして、キスの激しさが増した。
「ふ……んん…!」
強く唇を被せる千秋。
噛みつくような激しいキス。
繋がったあたしの唇を無理矢理こじ開けて、千秋は柔らかい舌を侵入させるとあたしに絡めてくる。
あたしは風船がしぼんでいくみたいに力が抜けて、乱れる短い呼吸を繰り返す。
薄く口を開いて必死に応える。
「もっと口あけろよ?」
しばらく絡め合わせる音が響いていたけど、千秋は唇をゆっくり離すとあたしを見つめた。
ドクン……。
千秋の艶っぽい瞳から目が逸らせなくなって、声を詰まらせる。
「……出来ないよ」
「ふーん。あんなでけぇあくびしてたクセに?」
千秋は少し離れた場所にポツンと落ちている校内新聞に目をやりながら言った。


