一歩遊園地の中に入ればまさに夢の国って感じ。
可愛らしい音楽が流れていて賑やかで、行き交う人の波、外国にありそうなアンティーク風の建物。
たくさんのアトラクションにワクワクしちゃう。
「ねぇ……」
ツンツンとあたしの肩を人差し指で叩いてくるはーちゃん。
口を堅く結んで頬がピンク色だ。
「ん?はーちゃん、どしたの?」
「シイ……、あのね……」
するとゴニョゴニョと耳打ちしてくる。
だけど大音量の音楽のせいでちっとも聞こえない。
「……と回る……から」
「え、なにー?聞こえないよ」
「だーかーらっ!今日は……」
あたしが首を傾げた時だった。
いつも強気なはーちゃんの口から“乙女ちっく”な悲鳴が出た。
「きゃああああ……」
「お待たせ、葉月」
それは、佐久間くんがはーちゃんの肩に手を回して、頬をくっつけたからだ………。


