【続】俺様王子と秘密の時間



秘密ってスリルがある。

悪いことをしている気分になる。


別にそんなつもりなんてなくったって、内緒事だからこそ後ろめたさみたいのがついてくるし……。



「着いたぜ?」


千秋の声で顔をあげる。

と、同時にあたしは目をパチクリさせる羽目になったのだ。



「ななななな………」


手をひかれて着いたのはスライダーだ。

しかも今度は周りからは見えないようにトンネルみたいになっている。



「ボケッとしてんな。行くぞ」

「や、や、やだ……」

「は?」

「羽鳥と滑ったの怖かったし……あたし、も…もう無理だよ…」


それにこんな真っ暗な中を千秋と二人で滑るなんて、緊張と恥ずかしさであたしの心臓もたないよ。



「ふーん。雅弥とは良くて、オレとは無理なんだ?」

「えっ……そういうわけじゃ…」


1センチ1センチ、千秋の顔が近づいてくる。