水のかけ合いをしたり浮き輪で遊んだりして、騒ぎすぎたせいで喉がカラカラだ。
少し休憩するこにしたあたし達はメインプールから出てジュースを飲んだ。
「シイ、スライダー行こうぜ?」
「えっ!や、やだーっ」
「んでだよ。絶対楽しいって」
「やだ!超ー怖そうだもん!」
羽鳥はコーラを片手にニヤッと笑ってくる。
スライダーは2種類あるんだけど羽鳥が言ってるのは身体で滑る方で、どっちも高さがかなりある。
しかもクネクネしてるし見てるだけで目が回りそう。
「ほーら、行くぞ?」
「ちょ、ちょっと……」
あたしが飲んでた苺ミルクを取り上げると羽鳥は腕を掴んできた。
うぅ……。
あたしは羽鳥に引きずられるようにスライダーに向かった。
その一瞬、プールサイドに寝っ転がってイヤホンをしている黒澤拓海が視界に映りこんだ。
でもあたしは見ないようにした。


