【続】俺様王子と秘密の時間



「……」


何も答えられなかった。

だってそれはあたしの悩みの種だもん。

簡単に口に出来たら苦労しないし、こんなにおヘソを曲げることもないんだから。



どうして秘密にするんだろう。

千秋に直接そう言われたわけじゃないけど……。


別に一緒に帰ったりとか、一緒にお昼食べたりとか、そういうことを望んでるわけじゃない。


あ、ちょっとはあるけど……。


ただ、秘密にしてヒソヒソ会ってることが、あたしと一緒に居るところを誰かに見られたくないんじゃないかって思っちゃうの。


あたしじゃ恥ずかしいのかな?

そりゃ、凡人だけど……。



「ほら、言ってみろよ?聞いてやるから」


……言えないよ。

これじゃあまるで駄々っ子みたいだもん。


あたしは千秋から顔を反らしたまま、唇を尖らせて沈黙する。