「僕、男なんで同性に可愛いとか言われても嬉しくないですね。ま、女の子なら大歓迎だけど」


うわぁ。

先輩とか関係なしに棘のある言葉を平気で口にしちゃうから、生意気だとか思われても仕方ない。



「あそ。んなことよりオレのこと記事にしたいんだって?」

「僕は新聞部だからね」

「いいよー。何でも聞いて?」

「んーー、じゃあ……」


なにこの展開……。

なんか二人とも意気投合しちゃってる?


涼くんは黒澤拓海にあれこれ質問してはメモ帳にペンを走らせ、時折二人の笑い声なんか聞こえる。



「あっ!ねぇ先輩!」


質問を終えたのか涼くんはあたしの側にやってくると小声で話してきた。



「さっきあの転校生と抱き合ってたけど、もし王子にバレたらヤバいんじゃない?」


み、見られてた……!

てゆーか抱き合ってなんかない!


そう言おうとした時、頭上で物音がした。