ドクン……ドクン……。
加速を増す心臓。
いつもいつも千秋の側に居るだけで、あたしの心臓は速まってく。
「オレしか見えねぇようにしてやろうか?」
大胆な言葉に反論も出来ない。
……暗幕に覆われた部屋。
それだけで変に緊張してしまうあたしはなんてバカなんだろう。
我ながら心底そう思った。
「千秋……待ってよっ……」
あたしは手を突っぱねて千秋の身体を押し返そうとした。
だけどそんな抵抗も虚しく、あっさり片手を取られてしまう。
「待たねぇ」
千秋はあたしの片手を抑えこむと、艶っぽい瞳で顔を寄せてくる。
唇が距離を詰めてくる。
あたしの前髪を微かに揺らした。


