「待ちくたびれたよ」
フゥーッと白い煙を吐き出して、寝そべりながら顔だけこっちに向けた人物は黒澤拓海だった……。
ゲゲッ!
ほ、ほんと最悪。
なんでコイツが居るのよ!
「あなた、なんで……」
「さぁ、なんででしょう?」
耳からイヤホンを外してヘラヘラと笑う黒澤拓海を、ひっぱたいてやりたい。
あたしはそんな衝動に駆られながら、黒澤拓海のもとへグングン足を運ばせて思い切り睨んだ。
黒澤拓海は仰向けに体勢を変え、真上から見下ろすあたしを見て鼻で笑う。
「クスッ。パンツ見えてる」
「え……?」
「今日は白にピンクの水玉かー」
「ぎゃ……」
ガバッとスカートを押さえた。
また見られた……。
バイトの時もこの男に見られたのに……。
恥ずかしさと怒りで血圧が上がっていくのが、自分でもわかった。


