「あたしも慎からメールだ。い、今さらなんの用かしら…」
二人ってどんな内容のメールをしてるんだろ?
好奇心が騒ぎだす。
ダメだと思いつつも気になって、はーちゃんのケータイを覗いた。
なになに……
“放課後は図書室待ち合わせでいい?朝のこと、まだ怒ってる?ワガママお姫様”
さ……佐久間くんって案外キザなのね……。
はーちゃんはタコみたいに真っ赤になって固まっていた……。
そんなこんなで放課後を迎えた。
はーちゃんと別れたあたしはドキドキしながら、トイレの鏡で前髪を軽く直して屋上へ向かった。
重い屋上の扉を開けて入る。
千秋はまだ来ていない。
辺りを見渡していたら風と一緒に苦い香りが流れてきた。
まさか……。
広い屋上のど真ん中で寝そべっている人物が視界に映りこんだ。
耳にはイヤホン、片手にタバコ。
その人物はあたしを見て挑戦的な笑みをこぼした。


