「ねぇ、はーちゃん。朝、不機嫌だったけどなんかあったの?」
あたしの問いかけに眉をつり上げて、はーちゃんは唇を曲げた。
わわわ……。
不機嫌なはーちゃんカムバック。
「慎ってば、あたしをからかうのよ!」
「は……?」
からかうって……。
はーちゃんは火山が噴火したみたいに怒って勢いよく喋り出した。
「朝……下駄箱で話してたら“葉月の照れる顔がもっとみたい”なんて言ってきたのよっ!」
「はーちゃん……」
「あたしの反応を見て楽しんでるのよ!これだから何考えてるかわかんないメガネ男は嫌なのよ!」
なんか、はーちゃん嬉しそう。
まさかそれで不機嫌だったの?
ただの照れ隠しじゃん。
あたしには惚気としか感じられないんですけど……。
ヴーヴーヴー。
その時、ケータイが震えた。


