「見せろ」
ヒョイっと千秋がソレを奪った。
「か……返して……!」
「ダーメ」
千秋は腕を高く上げて、あたしが取れないように遠ざけると、イタズラっぽい口調で笑う。
「お願い返して!」
身長差を利用するなんてズルい!
あたしは小さな光で見えるソレを、千秋から奪い返そうとピョンピョンと必死でジャンプした。
「ぷっ……」
千秋はちょっと顎を突きだして、顔を傾けて余裕たっぷりな笑みであたしを見る。
「な、なによぉ……」
「オレに勝とうなんて、100年早いんだよ」
ムッ……。
あたしはいっぱいいっぱいなのに、なんで千秋はいつも涼しい顔してんのよ。
ソレ見られたら嫌なんだからぁ!
「もおっ……!」
最後の力を振り絞ってあたしは思い切りジャンプしたその時……。
「き……きゃああああ……」


