あたし達の身体でベッドが沈む。
千秋があたしのバスローブに手をかけてきたから、緊張しすぎて身体が強ばってしまったその時。
ヴーヴーヴー。
ベッドの側にあるあたしの鞄から響くバイヴの音に飛び起きた。
こんな時に誰なの?
「ごめん……出るね……」
チラッと目をやると千秋は息を漏らして髪の毛をかきあげる。
うっ……。
タイミング悪すぎだよぉ。
でも、もしかしたらちゃんと連絡をしてなかったから、お姉ちゃんが怒ってかけてきたのかも……。
「あれ?」
ベッドに座ったままケータイを手に取ると、ディスプレイには知らない番号が表示されていた。
「も、もしもし?」
《出るの遅すぎ》
うわっ!
この声は……。
「く……黒澤拓海!」
《そ。拓海くんです》
「なんであたしの番号……」
《伝言頼まれたんだよ》


