どうして千秋はこんな弱いあたしでいいと言ってくれるんだろう。
今日の千秋はとても優しい気がする。
今はあたしだけを見てくれてる。
だからあたしも千秋の瞳から目を逸らさずに、笑って言えたんだ。
「18歳の誕生日、おめでとう」
千秋の腕の中でやっと言えた。
あたしの唇に軽いキスを落とし、それが合図のように千秋とあたしはベッドに倒れこんだ。
「千秋が全然足りないよ……」
好きが溢れて止まらなくなって、まだ全然足りなくて、こんなに近いのにもっと近づきたくて……。
「あんまり可愛いこと言うな」
あたしの頬を包みこんで言った千秋の体温がすごい伝わってくる。
トクン……トクン……。
「朝まで止まれなくなるだろ?」
千秋にあたしの全部を奪ってほしいと思った。
恥ずかしくても怖くてもいいから、ピタリと重なってしまいたい。
――心も身体も全部。


