「あたしは明日で終わりだから、もう関わりません!」
「さあ、それはどうかな?」
黒澤拓海は意味わかんないこと言ってるけど、明日バイトが終わればもう関係ないんだから。
それからは早く終わらないかな、なんて考えながら接客していた。
時々、黒澤拓海がバイト中はポニーテールにしてるあたしの髪の毛をひっぱってきたりした。
でも無視したのだ。
「川村さん!今お越しになったお客様が、今すぐあなたを呼んでくれって」
パートのおばさんは駆けつけてくる。
なんでお客様があたしを?
「ほら、早く行ってちょうだい」
「え、あの、あたし何かし……」
「一番奥の窓際の席のお客様よ」
パートのおばさんに背中を押され、もしや何か失礼を……と思いながら、顔を伏せたまま向かった。
「あの……お呼びで……」
顔を上げた瞬間、思考回路停止。


