「川村さんー、早く8番テーブルに運んで!」
「は…はいぃいいっ!」
「すみませーん。デザートまだですかぁ?」
「はいぃ!すぐにお持ちします」
いつもはお客さん側のあたしは、バイトがこんなに大変だなんて思わなかったよぉ。
あたしは学校が終わったあとすぐにバイトに行き、帰宅して寝て、学校へ行き……の繰り返しだ。
「シイ。目の下クマが酷いわよ?最近、慌てて帰るけどなんかあったの?」
「そうだよ、シイー。オレと葉月に言えないことでもしてんの?」
なんて聞かれるけど、はーちゃんやコウちゃんにも内緒なんだ。
「べ、別に〜!じゃあ、あたし帰るから!」
二人を信用してないわけじゃなくて千秋の耳に入ったら嫌なんだ。
だって、せっかくのプレゼントだし驚かせたいんだもん……。
そんな日々が続いたある日。
「あれ?椎菜ちゃん?」


