「ちが……」
「そうだよ」
否定しようとしたのに羽鳥がそれを阻止するかのように口を挟む。
さらに羽鳥はあたしの頬に自分の頬をくっつけてきた。
「やだっ……やめてよ」
羽鳥、最近やっぱり変だよ。
逃げようとしても羽鳥に強く肩を掴まれ、びくともしないんだ。
千秋は涼しい顔で羽鳥を見る。
「それ以上やったら、椎菜にマジで嫌われるぞ?」
「うるせぇ。彼氏面してんな」
「彼氏面も何も、彼氏なんだよ」
挑発的な千秋の瞳に羽鳥の口調が荒くなる。
「妬いてんなら妬いてるって言えよ!つか、シイはてめぇの誕生日も知らなかったみてぇだけど?」
千秋があたしに目をやる。
いたたまれない気持ちになったあたしは目を伏せるしかなかった。
「お前には関係ねぇだろ?つぅか、妬いてんのはお前の方だろ?椎菜が好きでたまんねぇクセに」


