「服は自分で脱ぐなよ?」
「は……?」
服を脱ぐなぁ?
チラッと横目で見ると羽鳥の唇が頬っぺたにあたりそうで、心臓が飛び出るくらいバクバクした。
「脱がせるのも楽しみなんだよ」
「あの……」
「それからあんま抱きしめんな。動きづれぇから。キスの時はガッツくなよ?萎えるからな」
な、なななな、なんの話しよ!
羽鳥のシトラスの香りと生暖かく吹きかかる息に、クラクラする。
「羽鳥…なに言ってんの?」
「なにって、“男の気持ち”?」
あたしを解放するとイタズラっ子みたいに笑って、舌を出す羽鳥。
男の気持ちっていっても“そういうの”じゃないのに。
最近はからかわれてばかり。
「ぬ…脱ぐだとか……」
口をパクパクさせるあたしの髪をくしゃくしゃにしてくるし……!
「まだ知りてぇの?」
「なんでそんな意地悪なのよ!」


