立ち止まるあたしは足元を見つめたまま動けなくて、ガクガク震えている。
そしてまた、ヒタヒタと聞こえて、見られていると言うよりも睨み付けられている感じがした。
や、やだ……。
この世にオバケなんているわけないよね?
やだよやだよ……!
けれど、あたしは静まり返る長い廊下で、怖いモノ見たさから恐る恐る後ろを振り返った。
「あ……あれ?」
誰も居ない。
オカシイなぁ……。
使われていない教室からも人の気配なんて感じないし、廊下にも誰も居ない。
気のせいかな……?
あたしは前を向き直り、そう思った直後、扉が開く音がすぐ側で聞こえた――。
そして、入り口で人影が揺れた。
「きゃあああああ……!!」