【続】俺様王子と秘密の時間



あたし、ヤキモチ妬いてる?


さっきユリさんが“ヤキモチ妬かないでね”ってあたしに言ったのは、こうなるからだったのかな。



「ユリ、離れろ。な?」

「嫌よ……」

「今日のお前、変だぞ?」


ユリさんは協力してくれているというのに。

あたしの中で渦巻く感情を今すぐにでも捨て去りたいと思った。



「オレはお前に何もしてやれねぇよ」

「どうして?千秋、彼女がいるわけじゃないんでしょう?」


ユリさんは千秋の顔を覗きこむ。

けど、千秋は何も言わなかった。




「いるのね?千秋は昔から何か誤魔化そうとすると、わたしから目を逸らすのよねぇ〜。うふふ」


ユリさん恐るべし。

千秋がどんな顔をしているのか、あたしにはわからないけど……。



「うるせぇな」

「相手は誰?……もしかして、えっと、雅弥がシイって呼んでる女の子?ねえ、付き合ってるの?」