「千秋は彼氏じゃないです……」
小声でそう言うとユリさんは固まって、目をパチパチさせている。
しばらく沈黙が流れた。
「ご……ごめんね!わたし春くんと同じ大学だからたまに千秋のことを聞くの。シイちゃんの話も出るからつい……」
ユリさんはアタフタしながら身振り手振りつけて説明してくれた。
それからあたしは秘密の関係からなんの進展もないってことも含め、悩みの全てを話したのだ……。
「シイちゃんっ!そういうことなら、わたしに良い考えがあるわ」
「へ……?」
「じゃあ、早速行きましょ?」
「行くってどこに……」
ユリさんはあたしの手を掴む。
「やぁねー、シイちゃんったら。どこって、千秋の家に決まってるじゃない」
え……?
えぇえええ――!?
なんでそうなるの……?
てゆーか、考えって何……?


