彼氏である千秋……?
今、確かに聞こえた。
ユリさんは手を頬にあてながら、考えこむような表情を浮かべてブツブツ何か独り言を言っている。
けど、あたしはポカーンと口を開けたまま思考は一時停止してる。
頭にはクエスチョンマークが飛び交っているような気がした……。
「あ……あのぉ」
ユリさん、何か勘違いしてるよ。
……っていうか何で千秋があたしの彼氏ってことになってるの?
「大丈夫よ。千秋ならわたしが呼んであげるから。ねっ?」
うわわわわっ。
人の話し聞いてないよぉー!
あたしの勝手なイメージだけど、ユリさんって、か弱そうな人だと思っていたんだけど違うみたい。
突っぱしるタイプ……?
「ユリさんっ」
「なにかしら?」
口調もおしとやかで素敵なんだけど……じゃなくて、とにかく今はこの誤解を解かなくちゃ。


