【続】俺様王子と秘密の時間



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「なんかほんとに凄い子……」


羽鳥の話を聞き終えたあたしは、唖然としていた。


そんな前から千秋を狙っていたなんて、恐ろしい程の執着心だと改めて思い知らされたのだ……。



「振られたことがなかったのか、あん時の桜井、ひっでぇ顔してたんぜ?」


ククッと思い出したように笑う。


そんなことがあったなんて、今の美結ちゃんからは想像出来ない。



「あんな冷血王子のどこがいいんだよって、オレは思うけどな?」


頬杖ついたまま目線だけをこっちに向けて、イタズラな瞳で笑う。


う……。



「で……でも美結ちゃん篠ヶ原中だなんてそんなこと一言も……」


自分の過去の恋愛を話してくれた時、美結ちゃんは篠ヶ原中だったとは一言も言っていなかった。



「今、百戦錬磨だとか言われてんのに、振られたなんてみっともねぇから知られたくねぇんだよ」