【続】俺様王子と秘密の時間



それを聞いたあたしは何かが弾けたみたいに、頭の中で美結ちゃんの言葉が鮮明に蘇ってきた。


『アンタなんかよりもずっとずっと千秋先輩を知ってるんだからねっ!』


それは、中学の頃からずっと千秋を見てきたってことなの……?



「あの女、オレに聞いてきたろ?千秋はまだ人のモノじゃねぇかって。それで思い出したんだよ」


あの日……千秋の家のすぐ近くで美結ちゃんは羽鳥にそう尋ねた。

そして羽鳥が今朝、千秋に同じような言葉をぶつけていたことを思い出す。


『てめぇがまだ“人のモノ”じゃねぇかって、聞いてきたぞ?』


羽鳥は気づいてたんだ。

美結ちゃんが千秋にこだわる理由を。



「最初は桜井だってわからなかった。髪色も髪型も違うし、化粧も派手だし」


女の子はお化粧や髪型一つで変わるっていうし。



「ま、振られたからこそ、桜井はアイツに執着してんだろうけど」