朝からこんなことになるなんて。
あたしはホームルームが始まるというのに、生徒の居ない階段下まで連れてこられた。
「話があるの」
そう切り出した美結ちゃん。
いつもの勝ち誇ったような笑みは消えて、無表情でいたから逆に怖かった。
「は……話って?」
また何か言われるのかな……。
千秋のことだろうか?
「ごめんなさい」
「へっ?」
突然、頭を下げた美結ちゃん。
な、なに……?
今、ごめんなさいって言ったの?
「美結、色々酷いことしちゃったから…少しは反省したんだよ?」
嘘……。
あの美結ちゃんが謝ってくるなんて、しかも反省したなんて……。
言葉も出ないって、このことだ。
「美結ね、中1の時、嫌なことがあったの…」
「え?」
あたしに背を向けた美結ちゃんは、淡々とした口調で過去の話しをしてくれた。


