熱が下がったのは2日後だった。
グズグズする鼻にオマケに鼻声で、体調はまあまあといった感じ。
「シイ、大丈夫?鼻声ねぇー」
廊下の壁に寄りかかるはーちゃんが心配そうな顔であたしを見る。
隣にはコウちゃんも居た。
「ん、平気」
「バカは風邪ひかないっていうのにねー」
むかぁああああ。
クスクス笑うコウちゃんを睨んでやった。
「それより、あの性悪女にさんざんな目にあわされたんだって?」
はーちゃんは眉根を寄せる。
美結ちゃんのことだろう……。
あたしは黙りこみ鞄を持ったまま頷いて、足元に目線を落とした。
あまり思い出したくない。
出来れば、二度と会いたくない。
「羽鳥から聞いたわよ。やってくれるわね、あの粉砕機。もしまたシイに何かしてみなさい。あたしが粉々にしてやるわ」
いつもこうやって優しさを見せてくれるはーちゃんが大好きだよ。


