「ゴホッ……」
次の日あたしは見事に風邪をひいた。
千秋の風邪が移ったのだ。
絶対そうに違いない。
あたしは布団にくるまりながら、昨日の出来事を頭で再生してまた体温をあげるはめになった。
キスをしたり触れ合ったりすると熱が移るもんなんだと理解した。
38.9℃の熱で頭は痛いし咳は止まらないし、鼻水だって出る。
うーっ……。
冷えピタシートをおでこに貼りながら唸るしかなかった。
「椎菜ー!お粥出来たわよー」
お姉ちゃんがドアの向こうから叫んだ。
今日は会社が休みらしく朝からあたしの看病をしてくれている。
「……いらない」
だって食欲ないんだもん。
それにお姉ちゃんの料理は……、たまに焦げてたり変な味がする。
「なに言ってんの。食べなきゃ治らないわよ?」
そう言われてあたしはリビングへ向かい、お粥を一口。
………。


