【続】俺様王子と秘密の時間



「な…なによぉ!いつもは呼び出しメールばっかり送ってくるクセにいきなり逢いたいなんて……」


止まらなかった。

何か言わなきゃ涙が溢れてしまいそうで、必死に口を動かした。


けれど千秋はそれを阻止する。



「もう黙れよ」


あたしの顎を持ち上げると、千秋は目を逸らさずに絞り出すような声で囁いた。


触れたとたん胸が高鳴る。

視線が絡み合った瞬間、千秋はゆっくりとあたしを仰向けにして、上に覆い被さる。



「椎菜……」


名前を呼ばれて泣きそうになる。

嬉しい気持ちの中に漆黒のカラーが入り交じり、締め付けられる。



「オレのこと見ろよ」


千秋の瞳は熱を帯びていた。

トロンとしていて、艶っぽい。


あたしの頬を撫でて口づけする。

ヒリヒリした痛みがひいていくような気がした。



「んっ」


すぐに唇が降ってくる。

胸が焦げてしまいそうだった。