【続】俺様王子と秘密の時間



なんて物騒なことを言うのよ。


千秋の体温は物凄く高い。

少しだけ汗ばんだおでこ。

まだ熱は下がってないんだ。


そもそも熱があるっていうのに、千秋はどうしておとなしく寝ていられないんだろうか。



「オレにいつまで我慢させる気だよ?」


ドキッ……。

が、ががが我慢って。

そんなこと言われたって。



「お前に触れたいんだよ」


低いトーン、熱い声。

身体が火照って沸騰しちゃう。



目線を落とすあたしの頬に千秋の手が伸びて、それが視界の隅に入って指先が触れる瞬間……。



『同情したのよ』


絶望にも似た言葉が蘇る。

一気に、熱がひいていく。

美結ちゃんはココに居るハズがないのに、まるで今その言葉を言われたみたいな気がした。


耳の奥が痛くなった。



「やめてよ!こんな時に……」