ひゃぁあああああ……。
耳元で千秋の言葉が響いた。
熱のこもった声に鼓膜がくすぐられて、たまらずに身をよじらす。
「……いつもからかってばかり」
あたしの反応を見て面白がっているんだ。
いつもいっぱいいっぱいだから。
情けないし、バカみたいだ。
そう思って唇を尖らせるあたし。
「オレは、本気だけど?」
黒いシルクのパジャマを着ている千秋は、制服の時とは違った雰囲気で、いつもよりドキドキする。
色っぽいと思ってしまう。
オカシイ表現かもしれない。
だけど、まともに顔が見れない。
「心配しなくても、兄貴ならたぶん来ねぇよ」
「そんなんじゃなくて……」
向かい合う千秋の顔が近い。
至近距離で見つめられることは、やっぱりまだ全然慣れないよぉ。
「もし兄貴が来たら、見せつけてやればいい」


