「アンタ、凡人で救いようがないくらい顔の作りが悪いし、中身も空っぽだもん。アンタは欠点の塊で出来た人間なのよ」
冷めた眼差しが全てを握っているようだった。
もう何も言えずに口ごもるだけで、伸びた影法師に目線を落とす。
……こんな自分が情けない。
「誰にも相手にしてもらえないアンタが可哀想になって千秋先輩は同情したのよ。彼は優しい王子様だもの」
「……っ」
――“同情”
気持ちが折れそうになる。
美結ちゃんの言葉一つ一つが、目に見えない凶器のようで胸を突いて心を突き破っていく。
痛くて……苦しかった……。
「でもそれはただの同情でしかないわ!履き違えないでよねぇ」
語尾を伸ばしてクスッと笑う声が耳元で響く。
あたしの想いが凍てついていくような、そんな悲しい気持ちになってゆく。
履き違えてなんかいない……。
一番よくわかってるの。


