【続】俺様王子と秘密の時間



胸がえぐられるように痛かった。

美結ちゃんはあたしの心にくっきりとベラドンナの爪痕を刻んだ。



威圧感に押し潰されそうになる。

美結ちゃんは何を考えているかわからなくて、あたしは次何を言われるんだと思うと震えが増した。



「アンタ、見れば見る程、酷い顔してるね?千秋先輩には不釣り合いなんだって、ほんとはもうわかってるんでしょう?」


言葉に混ざる小さな笑い声が胸を突いた。


初めて言われたわけじゃない。

釣り合わないことなんて自分自身が一番よくわかっているの……。



それでも……

それでも……


――恋をしたの。



「美結ね、千秋先輩が何でアンタを選んだかわかっちゃったよぉ」


ワッフルの入った紙袋の持ち手をギュッと力強く握りしめて、自分を落ち着かせようと頑張った。


汗ばんだ手のひらはジワリと生温くて。

滑り落としてしまいそうになる。