涼くんから美結ちゃんの話を聞いた時も怖くてたまらなかったのに、目の前に現れると言葉で表現出来ない恐怖感に襲われる。
「アンタ、耳ついてんの?近づかないでって言ったでしょう?何回言ったらわかんのよ?」
距離を詰めてくる美結ちゃん。
唇を広げて嘲笑うその表情には、あたしの影が射しこんで、恐怖感に足がすくんでしまう。
「美結の言ったこと、なぁんにも聞いてないみたいだから……」
そう言ってあたしの目の前まで来ると、美結ちゃんはあたしの耳元にそっと顔を寄せる。
「その耳いらないんじゃない?」
不気味に囁いたその言葉はまるで呪縛のようで、あたしは声を発することさえも出来ずにいた。
今すぐ逃げ出したいと思っても、その場に縫いつけられたかのように足が動かなかった……。


