へっ?
なによ、ソレ。
あたしは小首を傾げる。
「うわっ、アンタ不純よ、不純!女とさんざん遊びまくってきたから誰が誰だかわかんないのよ」
軽蔑の眼差しを向けるはーちゃんに、羽鳥は頭をポリポリと掻いて誤魔化した。
そ、そういうことね……。
「でも雅弥は、もう女遊びやめたんだもんね?偉い偉いっ!」
「うるせぇー」
羽鳥は結局思い出せなくて、そんなやり取りをしているうちにワッフルが出来上がった。
甘くて美味しそうな匂いが家庭科室に充満する。
うん!我ながら上出来かも。
形は歪だけど、焦げてはいない。
「うまそー。シイの割には上手く出来たんじゃね?お前なら絶対焦がすと思ったんだけど」
羽鳥が横からヒョイっと顔を出して、まるで珍しいものを見た子供みたいに無邪気に笑った。
一言余計だけど……。


