そんな適切なことを言われてしまったら、あたしはもう何も言えなくなって口を結んでしまう。
「計算し尽くされた演出だよ」
ドクン……。
心臓が跳ね上がる。
そういえば美結ちゃんは、あたしを監視していたり、昨日も保健室で水を浴びせようとした。
あの悪相が焼きついてる。
それを思い出すと……。
怖くてたまらない……。
「そこまですることないのに…」
「あの子は手に入らないモノ程、欲しくてたまらないんだって」
とたんに胸が騒ぎだす。
「そのためなら誰が傷つこうと構わない。目的のためなら手段を選ばない。そして最後には……」
「さ…最後には……?」
涼くんがあたしを見据えた直後。
「握り潰す」
グシャリ……。
その声と一緒に涼くんは手にしている小悪魔データを握り潰した。
「それが真のクラッシャーだ」
身がすくみそうになる。


