【続】俺様王子と秘密の時間



あたしはふと思った。



「いくら百戦錬磨って呼ばれてても、男の子が絶対に落ちるなんて保証はどこにもないんじゃ……」


付き合っている彼女がいるんだから、美結ちゃんになびかない男の子だっているかもしれない。

というか、付き合っているんなら普通はそうなんじゃないのかな?


恋愛初心者に等しいあたしには、こっちも良いけどあっちも良いなんていう男の子の気持ちはよくわからないよぉ……。



「だから桜井美結は、計画的に実行していくんだ」


涼くんは落ち着いた口振りだ。



「……計画的って?」

「要するに、あの自慢の容姿でジワジワと自分に夢中にさせて、男を虜にするんだよ」


あたしは相槌をうつ。



「虜になった男はもうあの子しか見えてないんだから、彼女と別れて桜井美結を選ぶだろう?」