【続】俺様王子と秘密の時間



「それは本当なの……?」


信じられないような話だ。

だって、そんなの酷すぎるよ。



「新入生の中にも早速、被害にあった子が結構いたんだよ。その子達に話を聞いたから間違いない」


涼くんはキッパリ言い切った。

噂は本当だったんだ。



「どうして……誰かの彼氏だってわかっててそんなことするの?」


誰かが傷つくことになるって、わかりきっているというのに。


涼くんは顔をしかめて口を開く。



「人のモノだから」

「へっ?」


どういう意味?


あたしが理解出来ずにいると、涼くんはゆっくりとした口調でわかりやすく説明してくれた。



「人のモノって良く見えるでしょ?例えば、誰かが持ってる物がすごく可愛く見えて自分も欲しくなる、なんてことない?」


あっ……。

あたしも昔、お姉ちゃんが持っている物なら何でも良く見えて、欲しくてたまらなかったっけ。