「お前、何がしてぇの?」


顔だけを美結ちゃんに向けると、千秋は言葉を投げかけた。

まるで時間が止まったような感覚に陥っていたあたしはハッとして、美結ちゃんを見上げる。



何でこんなことするの……?

千秋がターゲットで、あたしが邪魔だからだろうか。

ハッキリした悪意に身震いする。

美結ちゃんの意図がわからない。



わからないからこそ恐怖だった。



「やってくれんじゃん」


微かに怒りのこもった千秋の声。



「……!」


ビクッと肩を震わせる美結ちゃんは、顔をひきつらせて逃げるように保健室から走り去っていった。