緑の魔法使い

こんな似合わない姿に軽く落ち込んでいれば凛さんがおいでと手招きをする。

「鼓都ちゃん、こっちから下を見て」

指で指し示す方には膨大な犬小屋と無数の犬達。
金網の頑丈なゲージを開けて出て来たのは凪君。
大量のご飯に犬達は大騒ぎだったけど、何故か凪君の姿を見て鳴き止む犬達。そしてお行儀よく指示もされてないのに姿勢正しく座り・・・

「ハリー」

「ワンッ!」

呼ぶ声に返事をするように高らかな鳴声が響いた。