昭和初期と言ってもいい不便な水周りの整理だけをして、短い夏休みの間、今住んでいる東京から持って来た少ない荷物を広げた。
不意にどこからか車のエンジンの音が聞え、窓からを戸を覗く。
道が草で隠されないようにと、父がアスファルトだけを引いてくれた道に白い軽トラックが走ってくるのが見れた。
随分とくたびれた軽とらは見覚えがあり、五月の連休の時に置いて行ったクロックスのサンダルを引っ掛けて外へと迎い出た。
軽トラは予想通り敷地内に止まり、雑草を踏み倒しながら目の前で止まった。
「凪、さっき山中商店のばあちゃんが見かけたって連絡くれたから親父の変わりに走らされた」
軽トラには見覚えあったが、乗っていたのは予想に反した人物だった。
「啓太さん・・・おじさんは?」
「お前が来たって言うから猟の準備で連絡に回ってるよ」
仕方ないよな、なんていいながらクスクス笑う啓太に俺もつられて笑う。
啓太、大野啓太は俺より5歳上で、ここでの短い小学生生活の時、学校まで手を引っ張って歩いてくれたのがこの人だった。
家も山のふもとになるが、数少ない近所で、数少ない友人の一人だった。
大体学校が終わると啓太さんに連れられて山中商店の所で家からの迎えを待つ。ころあいを見計らってまだ生きていた母さんが迎えに来てくれて、啓太さんと俺、あと何人かの同じ方面の子を車で送迎をしていた。
とにかく、学校まで歩くようなら数時間はかかると言う辺境の地の為に、安全を兼ねての処置は子供心には酷く楽しい毎日だった。
不意にどこからか車のエンジンの音が聞え、窓からを戸を覗く。
道が草で隠されないようにと、父がアスファルトだけを引いてくれた道に白い軽トラックが走ってくるのが見れた。
随分とくたびれた軽とらは見覚えがあり、五月の連休の時に置いて行ったクロックスのサンダルを引っ掛けて外へと迎い出た。
軽トラは予想通り敷地内に止まり、雑草を踏み倒しながら目の前で止まった。
「凪、さっき山中商店のばあちゃんが見かけたって連絡くれたから親父の変わりに走らされた」
軽トラには見覚えあったが、乗っていたのは予想に反した人物だった。
「啓太さん・・・おじさんは?」
「お前が来たって言うから猟の準備で連絡に回ってるよ」
仕方ないよな、なんていいながらクスクス笑う啓太に俺もつられて笑う。
啓太、大野啓太は俺より5歳上で、ここでの短い小学生生活の時、学校まで手を引っ張って歩いてくれたのがこの人だった。
家も山のふもとになるが、数少ない近所で、数少ない友人の一人だった。
大体学校が終わると啓太さんに連れられて山中商店の所で家からの迎えを待つ。ころあいを見計らってまだ生きていた母さんが迎えに来てくれて、啓太さんと俺、あと何人かの同じ方面の子を車で送迎をしていた。
とにかく、学校まで歩くようなら数時間はかかると言う辺境の地の為に、安全を兼ねての処置は子供心には酷く楽しい毎日だった。



