「去年ですわ。珍しい事に転入生がまいりましたの」
「・・・」
「その方は聖ルテオローザ学園の出席で、転入生と言うのに今年の生徒会長にも抜擢される素晴らしい方なのです。偶然にも三年生のクラス分けで偶然にもご一緒させていただいて、このような見た目にも分け隔てなく接していただき、とてもお優しい方なのです」
・・・女子校の未知の領域にいっきに踏み込んだ気がした。
「運動神経はもちろん成績も転入以来常に主席で・・・」
延々と続く誉め言葉の嵐に背中がむず痒くなり、さっさと薬の調合に入る。
たぶん俺、そいつの事知ってると思うから・・・なおさらこれ以上聞くわけには行かなかった。




たぶん。