「運転手なのに詳しいんだな」
「綾瀬川は今でこそ運転手ですが私が高校生に上がるまで私の執事でした」
風呂場からドアを開けて堂々と訂正するお嬢様は何処か開き直っているようにも見えた。
「ご覧のとおり、この老体にはお嬢様のお役に立てることがかなわないようになり、私の元気なうちにと、この羽鳥を教育させていただいております」
深々と頭を下げる姿に納得した。
「で、最近の状態は?」
「薬は最初の頃よりステロイド系を処方され、幾度かステロイド断ちもいたしましたが、やめれる状態ではなくすぐに頼るようになりました。
色々な血液検査もいたしましたが、これと言った治療法も見つける事は出来ず、ただ時折よくなったりしてはリバウンドを繰り返しております」
「引っ越して以来の皮膚炎か。新しいその家が原因かな」
「家の方は接着剤から柱の防腐剤までチェックしましたが、前住んでいた家と代わる物でもないので、原因では無いかと思いますが・・・」
「なら、これは人為的なものだなきっぱりと言い切った言葉に
「な、なんて恐ろしい事を!」
綾瀬川さんも羽鳥さんも驚いたように俺を見て、風呂場の彼女は呆然と立ち尽くしている。
「あんたたちには理解できないけど、俺の嗅覚は犬並みによくってね、フランス語で言う「nez」って言うの?
あのお嬢様の身体から嫌なくらい薬品の臭いがする」
「薬品・・・ですか?お嬢様は常に数種類の薬を服用してますが・・・」
「そういった薬の臭いじゃないよ。なんていえばいいかな?一度口に含んだ程度じゃあ効果は現れないくらい薄くしたものを何年もの歳月をかけて体に滓のように沈殿させて行ってる、そんな長時間かけての毒だよね」
「綾瀬川は今でこそ運転手ですが私が高校生に上がるまで私の執事でした」
風呂場からドアを開けて堂々と訂正するお嬢様は何処か開き直っているようにも見えた。
「ご覧のとおり、この老体にはお嬢様のお役に立てることがかなわないようになり、私の元気なうちにと、この羽鳥を教育させていただいております」
深々と頭を下げる姿に納得した。
「で、最近の状態は?」
「薬は最初の頃よりステロイド系を処方され、幾度かステロイド断ちもいたしましたが、やめれる状態ではなくすぐに頼るようになりました。
色々な血液検査もいたしましたが、これと言った治療法も見つける事は出来ず、ただ時折よくなったりしてはリバウンドを繰り返しております」
「引っ越して以来の皮膚炎か。新しいその家が原因かな」
「家の方は接着剤から柱の防腐剤までチェックしましたが、前住んでいた家と代わる物でもないので、原因では無いかと思いますが・・・」
「なら、これは人為的なものだなきっぱりと言い切った言葉に
「な、なんて恐ろしい事を!」
綾瀬川さんも羽鳥さんも驚いたように俺を見て、風呂場の彼女は呆然と立ち尽くしている。
「あんたたちには理解できないけど、俺の嗅覚は犬並みによくってね、フランス語で言う「nez」って言うの?
あのお嬢様の身体から嫌なくらい薬品の臭いがする」
「薬品・・・ですか?お嬢様は常に数種類の薬を服用してますが・・・」
「そういった薬の臭いじゃないよ。なんていえばいいかな?一度口に含んだ程度じゃあ効果は現れないくらい薄くしたものを何年もの歳月をかけて体に滓のように沈殿させて行ってる、そんな長時間かけての毒だよね」



