「ねぇ？聞いてる？」

私はﾊｯとした
さっきまでベッドにいた今野が私の顔を覗いていた


「えっ？…ぁっと…聞いてるわ」

嘘
全く記憶にない


「あーまた考え事!?最近多くない?」


最近かぁ

多分あの日以来
私は何をしても手につかない


「ねぇ？」

「なに？」


「なに考えてんの？そんなに」


何って…


「なんでもないわよ！」


言えない


“生徒に恋をした”


なんて
口が裂けても


「ふぅん…ねぇﾁｶちゃん。」

「だからなに!?」


「最近雪…来ないね」


私は目を丸くした

嘘…ばれてる!?


「そうね」


動揺しながらも
平然を装う