目が覚めると眩しい程の金の装飾でいっぱいの部屋のベッドの上にいた。
「眩し…」
「おや、お目覚めですか」
ワケも解らず天外を見つめていると横から声がした。
「はじめまして黒蠡浸様、私は執事のセバソィース・デルタバリア、セバスと御呼び下さい」
そこには、タキシードを着た死んだはずのおじいちゃんが立っていた。
「おじいちゃんっ!!何で!?何で!?生きてるのぉ!?…でも嬉しいよ〜」
自然と涙が溢れた
しかし、次の言葉でまたどん底まで突き落とされる
「ちょと!?勘違いをされているようです、私は黒蠡浸様のおじいちゃんとやらでは御座いません!!」
「え…、そんな事ないよっ、おじいちゃんだもん!!」
「すいませんが、本当におじいちゃんではないのです、御察しを」
「そんなぁ…、そっくりなのに…じゃあ、ここは何処なの?セバス…さん…」
「はっ、漆黒蒼天帝パロドンの女帝の間で御座います。」
聞いたこともない意味不明な言葉が飛んでくる。
「はぁ…、否、さっきまで家にいたんですけど…」
「今日から此処が黒蠡浸様の家でございます。」
「はっ!?え、ちょ、学校とか…困るんですけど、てゆうかさっきから黒蠡浸様ってなんですか?」
「黒蠡浸とは、貴女の事ですよ!!簡単に言うと貴女のこちらでの名前…とでも言っておきましょうか、ご安心を、此方の世界と貴女様が今おっしゃっておられる彼方の世界とは次元が違いますので、それに彼方の世界では貴女はお爺様と共に"死んだ"という処理をされておりますゆえ、学校など心配は一切なさらなくて結構で御座います。」
「は…すいません…、あんまり状況が飲み込めなくて…」
死ンダ?私、死ンダ事にされてる?黒蠡浸?コッチの名前?
「いえいえ、突然理解しろと言うのが可笑しな話ですからこれからゆっくり理解して頂ければ十分で御座います。」
「はい…」
私は一切の事が理解できていなかった。


