苦しそうな雪の息遣いが、俺の耳の中にこだまする。 「そ、そうだ、病院だ!とにかく病院に連れていかないと!」 俺はすぐにぐったりとした雪にくたびれた雪のお気に入りコートを、パジャマの上から着せた。 「ごめんな、今度新しい服を買ってやるからな!」 半泣き状態の俺。 とにかく、雪を早く病院に連れていかなくては。 ただ、俺は車を持っていない。 家に電話はないし、携帯もとまっている。 結局、雪を抱え俺は近所の家まで電話を借りに急いだ。 恥じらいなどない、もう壊れかけている。