−…



今は、時計台の下。



浴衣を着るのが、二年ぶりだから、帯が苦しい。



だけど、お姉ちゃんに貸して貰った、淡い青の可愛い浴衣だから、我慢できる。


オシャレに苦しさは禁物なんだよ。



なんて、思ってると。



巾着袋から、バイブレータが震えた。



巾着袋から取り出して、ケータイを開くと、汐香だ。


私は、通話ボタンを押した。



「もしもし、夏華?」



「うん、夏華だよ。」



「いま、何処にいる?」



「時計台の下だけど。」



そう、汐香がこの近くに要るかと、思い。



ケータイを片手に辺りを見渡した。



えっ…。



「もしもし、夏華?」



ケータイを耳から離し、手で握りしめた。