「えぇ。とっても可愛らしい奥様を
 連れていらっしゃいました。
 私など比べものにならないような
 美しい方でした。」


「紅葉…」


「私は、栄蔵さんが幸せなら、
 それでいいんです。
 ですから、これからはちゃんと
 お仕えさせていただきます。
 私のほうこそ、無礼な態度ばかり
 とって…申し訳ございません。」


「紅葉…あ、」

話をかけようとした瞬間、侍女が
紅葉を呼んでいる声がした。


「はーい!今行くわ。
 将軍様、失礼いたします。」


「…。」


美しいよ、紅葉。誰よりも。


栄蔵にあったか…


今はじめて

罪悪感というものがこみ上げてきた。